能登半島地震では未だ避難所で不自由な生活を強いられている方々がいらっしゃるそうですが、一日も早く復旧されることを心からお祈りしております。
で、その避難所運営においてマイナンバーカードでどうこう…ってことを言ってるエライ人がおりましたので、それに関して、東北大震災や熊本大震災の避難所支援に行ってきた元行政マンとして、ちょっと言いたいことがでてきちゃうんですな。
マイナンバーカードが活用されてれば…?
河野太郎デジタル大臣のお話によると、マイナンバーカードが広く活用されていれば、避難所にそれを設置して避難の実態把握が迅速にできるようになる…とまぁ、こーゆーことを言ってるようです(記事はこちら)。
webの記事なんで、リンク先が切れるといけませんからこちらにスクショも貼っておきますね。
以前、マイナンバーカードと保険証に関して疑問を呈した記事を掲載した際(該当の記事はこちら)、そもそも読み取り機が間抜けで混乱するんです、というお話をしましたが、避難所なんてもっとひどいことになるでしょうね。
だいたい、マイナンバーカードって表面にマイナンバーを印刷しちゃってるじゃないですか。でも、そのマイナンバーって絶対秘密にせにゃならんのでしょ?そんな危ないもん、なんで持ち歩かせようとするんだろ?その時点で既に矛盾してますって。
やっぱり現場・現実をわかってない
既にネット上ではツッコミ満載のようです。
そらそうです。そもそもネットワークが動かなかったら、そんなもん役にたちゃしません。でもって、急いで避難せにゃならんって時に、マイナンバーカードを持ちだそうとする?財布だって持ってこれるかわかんないのに?着の身着のまま逃げる、ってことを知らんのか?
カードを使ったデータ処理ができるような仕組みになるのは、発災からかなり時間がたっているはずです。そんなもん待って避難所運営なんかやってられるか。
マイナンバーなんてのは、まず秘密にしてちゃダメなんですって。この世に一人のあなたが持つたった一つの番号、それ以上の意味なんて無い。だから、その番号を使ってくれれば、あなたどこにいて、どんな状態なのよってのが一発でわかるんだぜ。
これがマイナンバーの利点の筈なんですって。なのに普段は番号秘密でござい、人に知られちゃいけません、って言っておきながら普段持ち歩けって、おかしいでしょに。
避難所を移ったら、県外にでちゃったら、もう追いかけられない…そんなもん国がまとめてデータベース化してたら何も問題ないやろがいって話です。
国が集中して生体情報まで管理してくれりゃいい
これまた、以前記事にしていますが(こちら)、データの保管と物理的な書類の保管、アクセス権…が上手に整理できておらず、住民情報は自治体管理でござい…と各自治体にシステムを作らせたことで、滅茶苦茶複雑でわかりにくいシステムを作ってしまってますよね。
以前書いたことの繰り返しになりますが、国が国民全体のDBを整備して、各自治体には必要な情報へのアクセス権を与えておけば十分。データのバックアップも簡単になるし仕組みももちろん簡単でトラブルはおきにくくなる筈。
もしそこに生体情報までいれておいてくれたら、たとえ番号忘れた・カード無くなった…っつっても、生体情報から個人を特定できたりするじゃないですか。
もちろん、国が恣意的に、自分達の都合の良いようにそれらの情報を使ってしまったら…或いはその情報を悪意のある国にとられたら…そらいけませんよ。でも、それを恐れるあまりまともなシステムを作らないのって、「一番安全なのは何もしないこと」って言ってるようなもんでしょに。
生体情報にしたって、普段から常時リンクしてるわけじゃない、ってゆー仕掛けくらいは作れるでしょね。電子カルテ情報と紐づけるから国管理とは別のDBで…くらいはあってもいい。でも、その人を特定するためのキーとなるデータは、マイナンバーでいいじゃんよって話ですし、生体情報から逆にマイナンバーを検索できる仕組みだって作れるでしょ、って話です。
国民にカード持ってきておくれよ、するってぇと便利かもしれないからさぁ…なんてお願いするんじゃなくて、国でしっかり管理して国民の皆さんを守ります、って胸張って言って欲しいんです。
でも残念ながら、過去のいろんなしがらみとかがあって日本ってそーゆーダイナミックな変化を許容し得ないんですな。その点、河野大臣にちょろっと同情するところはありますよ。
でもあの人って、結局現場をわかってなくて、妙なものを押し付けようとするのにキツい言葉を使うくらいしか能がないので、やっぱりあたしゃ嫌いです。
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