ますますワケわからんマイナンバーカード

電脳雑記

現行の保険証の廃止が決定したそうで、そのために現行の保険証と大して違わない新しいカードが作られるんだとか…もともとワケわからんマイナンバーカードの仕組みが、ワケわからなさをどんどん拡張していますw

従来の保険証は廃止です…でも

マイナンバーカードはあいかーらず評判が悪いですが、それでも2024年12月2日には現行の健康保険証は廃止だそうです(2023年12月22日のImpressWatchの記事)。

困っちゃう人は出てきますから…ってことで、資格確認書を発行するとか、暗証番号不要で顔認証だけの妙ちくりんな新しいマイナンバーカードを発行することにしたそうで(2023年12月15日のヤフーニュース掲載の記事)。

この暗証番号不要のカードは機械で顔認証するか、或いは「窓口職員がカードの顔写真を目視して本人確認」するんだそうでして。なんだ結局顔パスかよ?チョーアナログじゃんww

上記で紹介した記事によると、この制度を開始した初日には自治体窓口における申請で混乱は起きていない、なんて言ってますが、当たり前です。そこでの手続きでは暗証番号を決めるというステップが減っていて、顔認証を設定するために最初っから職員が張り付いてサポートすることでしょうから。

件数が少ないだろう、とかじゃないですよ。たぶん少ないだろうとは思いますが。

むしろ、これで混乱するのはそれを実際に使う時であろうことは容易に想像つくと思うんですが、そこに気づかないとするとバカなんですかね?

そもそもおかしい

機械での顔認証って、今は正直言って滅茶苦茶精度悪いです。スマホの顔認証のほうが遥かにマシ。あたしゃ病院や薬局の窓口で顔認証した際に、一回で通ったことはほとんどありません。何回もやりなおしカードを入れなおし最終的には暗証番号で認証しました、ってことがあまりに頻繁におきたので、最近は最初から機械では顔認証なんかやらず、最初から暗証番号を入力しています。

ところが暗証番号が使えないカードが登場すると、何しろ顔認証以外の認証手段が無いのですから、面倒くさいことこの上ないって話になりかねません。

普通に認証できたって、カード差し込んでカメラの前でソラっとぼけた顔で撮影を待つ…って時間がかかります。

これのどこが効率化されているんだろう?

私は、暗証番号が不評だからってことで暗証番号無しでもイケるぜ、とするのは良さげに思えて、実は現場での負担を更に増すだけなんじゃないか、と危惧しています。何しろ時間がかかり、「おかしい!」とか言い出す患者のために事務職員が引っ張り出されてあーでもないこーでもないと拘束されるわけですから、効率いいはずないじゃないですか。

これはこの先、機械がダメダメで結局顔認証を人がやって…が主流となるのではないでしょうか。これって、従来型の顔パスアナログ認証です。それでも端末にマイナ保険証のデータが入力されたからマイナ保険証が使われて効率化されたぜ嬉しいな、なんてぇバカな主張をするんじゃないですかね。

下手をすると人がやった顔認証した相手と登録する番号を取り違えてしまいました、なんてぇトラブルが発生する可能性すらあるように思うんですが。

根本的に間違ってますって。

使わせたいなら便利にしてくれ

DXとかデジタル化、IT利活用において重要なポイントは、効率が悪い事務を削減するために技術を使う、ということです。効率が悪い事務をそのままデジタル化して迅速に処理しましょう、というのはそもそも無理があるんです。

ところがマイナ保険証は、単純に紙(つかプラスチックのカードと言うべきか)のカードをデジタル化しただけで、事務自体は何も変わっていません。でもって、そのデジタル技術のほうは中途半端なもんだからむしろ遅くなる。従来は健康保険証に書かれていた番号を窓口職員が入力していたのが、マイナンバーカードから読み込まれるようになるってだけです。

これのどこが効率化なんでしょう?

十数桁の番号ならテンキーで入れるだけ。ところがカードから読み取るには患者に機械を操作してもらいそれを端末に読み込んで確認して…といった操作が伴います。時間的にはおそらくテンキー叩くほうが早いことでしょう。

間違いが少ない?まぁ手入力のほうが間違いが多いであろうことはその通りかもしれませんが、それもアナログ顔認証になってしまっては大して違いません。窓口での対応時間なんかちっとも減らないじゃないですか。

それどころか、読み込みまでに認証を含めるとメッチャ時間がかかり、トータルでは効率が悪くなる、なんてことになってしまいそうで、馬鹿げているにもホドとか程度とかってもんがあります。

にもかかわらず、国のやることはもうハチャメチャで、この不便な仕組みを押し付けようと従来型の保険証を強いられたら申し出ろ、みたいな密告制度まで作ろうとしているんだとか(2023年12月23日日刊ゲンダイの記事)。現場でなんとか効率よくやろうとしていることに、こんな形で邪魔してまで普及させたい不便なツールって何なのよ、と言いたくなりません?

統合とか効率化とかを実は嫌う人たち

利権が絡んでいるのかどうかは知らないし、実は色んなインフラを作って複雑怪奇にしておいたほうが業者が儲かって嬉しいんだ、なんつー陰謀論みたいなことってありそうではあっても証拠は無いので、あまり言ってみても仕方ありません。

ただ、ある程度はっきりしていることはありまして。

よーするに、やっぱり省庁の壁を超えるのって難しいんだろな、っつー話ですわ。

そもそもマイナンバーカードってゆー媒体がおかしい。運転免ICチップが入っているんだから、それ使えばよかったじゃないかって思うのが普通なんじゃないでしょうか。なのに、そこへ別のカード作ってみたり証明書つくってみたりと複雑怪奇にするばかり。デジタル技術を使えばいろんなことが統合されて簡単になるはずが、ややこしくなる一方です。

ちなみに所管省庁を思い出しててみてください。

マイナンバーカードは総務省。

健康保険証は厚労省。

運転免許証は警察庁。

それぞれ所管省庁が違っているんです。それらを相互に調整する役割は、本来デジタル庁が担うはずですが、そのデジタル庁にしたってやることなすこと頓珍漢。大号令でエラ様の威勢だけはいいですが、きめ細かい調整なんてのは全くやらず、生贄を探し出しては叩きまくって「お前が悪い!」と言い、反対の声には妙な仕組みで屋上屋を重ねるようなことを繰り返すことしかやってません。

一番大事なはずの無駄を見出す、なんてことには一切興味がないみたい。

やりたいことは、なんとなくデジタル♪って感じのツールやシステムの導入でしかなく、それ自体が目的化しているようにしか思えないんですよね。

だから、インフラが統合されることもなく、無駄が解消することもなく、複雑怪奇な仕組みと多数のカードが残るってわけです。突破力があるとゆー大臣とやらは、何のことはない猪突猛進なだけ・ぶっ壊すだけで、実際ビジョンも何もないんじゃないですかね。

そう疑いたくなっちまうんですよ、コレって。

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